日本人の主食でもあるお米の作り方は、ほとんどの方がご存じでしょう。
水を張った水田に稲の苗を植えて、秋に金色に輝き
稲穂が垂れ下がると刈り入れるという一連の流れになっています。
大人の方ならこの説明で納得がいくのですが、
小学生くらいだと、稲に張った水はどうするの?
という疑問が沸き上がってくることでしょう。
稲もある時期になると、一度水田から水を抜く
土用干しという期間があるのです。
では、なぜ、生育途中で水を抜いてしまうのでしょうか?
そもそも土用干しをする意味ってなんだろう?
水田の中に植えてある稲を、生育途中で水を全て抜いてしまう事を土用干し、
または中抜きという作業があります。
これは、米農家以外の方はほとんど知らないのではないでしょうか。
では、なぜ稲も十分に生育できているのに、
あえて水田から水を抜いてしまうのでしょうか?
これでは稲が枯れてしまうのでは?と、小学生くらいなら確実に思ってしまいます。
稲の土用干しをする意味として考えられるのが
- 稲が植えてある地面を乾かすことで、土の中に酸素を取り入れることが出来る。
- 水を張った状態では土の中の有毒ガスが抜けないために、水を抜くことで有毒ガスを放出することが出来る。
- 窒素の吸収を抑える。
- 水を抜かないでいると、稲が過密状態になり、下の葉が枯れてしまう事で稲自体の耐性が弱くなってしまうため。
- 水を抜くことで地面を固くなり、機械で刈り入れするときに、非常に簡単に刈ることが出来る。
土用干しの意味は、稲の根の強化により、稲の活力を最大限にすること、有毒ガスを放出すること、作業性の向上という事がわかります。
稲の土用干しっていつ頃するの?どのくらいの期間干せばいいの?
稲の土用干しをする意味が分かったところで、
水田の水はいつくらいから抜いていくのでしょうか?
また、どのくらいの期間、地面を乾かせばいいのでしょうか?
田んぼを乾かすことで、稲の過密度を防ぐ狙いもありますが、
乾かしすぎるのも良くないのでは?とも思ってしまいますよね。
子供心に、地面にひび割れが起きるほど乾かしたら、
稲が枯れてしまうと考えてしまいます。
実際は、足を入れると完全乾燥寸前くらいの状態であると考えておく方が
いいでしょう。
土用干しはいつ頃行うのか?については、
本来は立秋の前の約18日間を土用の期間と定めていますから、
この辺りが目安になります。
稲の生育状態で土用抜きをしているのが現状のようです。
稲の1株あたりが20~25本前後になったら、
水田から水を抜いて水田の土を乾かします。
どのくらいの期間、水田の底土を乾かせばいいのか?
という疑問が残ります。
底土がひび割れを起こすくらいは、農家の経験と勘としか言いようがないのですが、最低でも7日間で最大でも14日間乾かします。
稲と底土の状態を見極めながらといったところです。
一般的な土用干しは7~10日間と農協あたりでは、HP上で説明しています。
苗植えから刈り入れまで大体半年くらいですから、
そのうち完全に水をぬくのは出穂し終わってから25日前後です。
苗植えしてから、出穂する前に、土用干しをすることになります。
土用干しは大事な作業とはいえ、生育中の稲の水を抜くのは、
慣れないと稲が枯れてしまうのではと思ってしまいますよね。
まとめ
稲の土用干しの意味やどのくらいの期間行うかについて紹介してきました。
なかなか水田の土用干しを、農家以外の方で見る機会はほとんどないでしょう。
小学生くらいの子供にとっては、非常に不思議な光景に見えるのでは
ないでしょうか。
サラリーマンのお父さんに、いきなり土用干しって何?と聞かれても、
答えられる方は少ないでしょうね。
子供と一緒に調べることで、自分の知らないことも知ることが出来るわけです。
わからないことがあれば、知ったかぶりをするよりは、一緒に調べようか~
と声をかけてもいいのではないでしょうか。
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